技研製作所の地下開発技術による機械式駐輪場
技研製作所は駐輪場や圧入機、地下開発製品を手がけ、1975年に世界初の油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」を発明しました。特に「エコサイクルⓇ」は盗難や天候に強く、大容量の機械式駐輪場です。また、「モバイルエコサイクルⓇ」は短期間で設置・撤去可能で、省スペース・高収容設計が特徴です。
目次
技研製作所とは?
技研製作所は、東京と高知に本社を持つ創業1967年の企業です。駐輪場事業で業績を上げており、その他にも圧入機製品、地下開発製品、サポートなど幅広い事業を展開しています。
◇圧入機製品
杭は、建物の基礎、水をせき止める止水壁などに使用されるもので、圧入機は、杭を振動や騒音を発生させずに、地中に正確に押し込む機械のことです。
技研製作所は、1975年に世界で初めて圧入原理を採用した、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」を発明しました。現在は、工事目的や現場環境に合ったシステム機器を提案し、最も合理的な方法で施工を行っています。
◇地下開発製品
地上に文化を、地下に機能をコンセプトに、技研グループの圧入技術を応用し、地下開発製品の企画・計画から施工、完成後の機能維持管理までを一貫して提供しています。
技研製作所の地下開発製品は、超小型EV専用機械式駐車場 「EVエコパークⓇ」、機械式駐車場「エコパークⓇ」、機械式駐輪場「エコサイクルⓇ」、可搬式駐輪システム「モバイルエコサイクルⓇ」の4つです。
◇サポート
圧入機ユーザーに対し、現場の生産性を向上させる技術とノウハウを伝授するため、総合支援システム「GTOSSⓇ=GIKENトータルサポートシステム」も提供しています。
その他、技術支援が可能なフランチャイズ型の業務提携「GTOSSⓇメンバーシップ」、機械保全システム「GIKENメンテナンスシステム」などのサービスもあります。
技研製作所の機械式駐輪場「エコサイクルⓇ」
技研製作所の機械式駐輪場「エコサイクルⓇ」は、地下空間に保管されるため盗難や雨の心配がなく、収納できる自転車の台数が多いのが特徴です。地下型と地上型に対応しているため、状況に合わせたまちづくりができます。
◇盗難や雨の心配がいらない
駐輪場での盗難が問題となっていますが、エコサイクルⓇに収容される自転車は、密閉された地下空間に保管されるため、盗難の心配がありません。操作も屋根付きの入出庫ブースから行うため、雨の日も快適に自転車を出し入れできます。
◇収容できる自転車の数が多い
エコサイクルⓇ1基に200台の自転車を収容できますが、これを一般的な平置き駐輪にすると25mプール相当の広い敷地が必要です。エコサイクルⓇは、入出庫ブース用のスペースとして自動車1台分程度のスペースあれば、設置できます。
◇地下型・地上型に対応
エコサイクルⓇは、地下型と地上型の2種類があります。地下型は躯体を埋設するタイプで、地上にはブースのみを設置し快適な地上空間を創出できます。地上型は、ビルなどの建物への組み込みが可能なタイプです。外壁をガラス張りにすれば、魅せる駐輪場として街を彩ります。
技研製作所の可搬式駐輪システム「モバイルエコサイクルⓇ」
技研製作所の可搬式駐輪システム「モバイルエコサイクルⓇ」は設置が簡単なため、2日で設置・1日で撤去することが可能です。デザイン性が高く、省スペース、高収容で、ランニングコストも安く抑えられます。
◇2日で設置・1日で撤去可能
設置に必要な部材や機材は、トラック1台で運搬可能です。固定具が不要な設計で簡単に設置できるため、設置に要する日数は2日で、撤去も1日でできます。
◇省スペース・高収容
46㎡の敷地に58台の自転車を収容できるということは、平置き駐輪場に比べて約2.3倍の収容効率があります。駅の近く、繁華街など用地確保が難しい場所でも大規模な駐輪場施設を設置でき、周辺の土地は文化的空間として活用できるのも利点です。
◇ランニングコストが安い
全自動システムによる収容・保管では、入出庫1回あたりの電気代は約0.12円です。メンテナンス作業も容易なため、ランニングコストを抑えつつ効率的に運営できます。
◇デザイン性が高い
外装面は自由に印刷できるため、景観に合わせたデザインが可能です。企業広告や観光案内にも活用すれば、周囲との調和を保ちながら情報発信の場としても利用できます。
技研製作所が手掛けた事例を紹介
技研製作所のエコサイクルⓇは高く評価され、関東を中心に導入実績を増やしています。横浜市の新綱島自転車駐車場と渋谷区の渋谷フクラス西自転車駐車場も技研製作所のエコサイクルⓇを採用しました。
◇新綱島自転車駐車場
画像出典:技研製作所
新綱島自転車駐車場は横浜市港北区の東急新横浜線「新綱島駅」前にある自転車駐車場です。発注したのは横浜市で、2023年3月に完成し2024年1月4日にオープンしました。エコサイクルⓇは関東圏で既に19箇所、48基の設置実績がありましたが、横浜市に設置されたのはこの新綱島自転車駐車場が初めてです。
新綱島駅は、東京都心や新横浜へのアクセスが良好で、周辺エリアの再開発やターミナル機能の強化が進められているため、新しく導入された自転車駐車場は注目を集めています。エコサイクルⓇは2基導入され、総収容台数は504台です。大規模な自転車駐車場ですが、圧入工法により施工はスムーズに行えました。
◇渋谷フクラス西自転車駐車場
画像出典:技研製作所
東京都渋谷区にある「渋谷フクラス西自転車駐車場」は、渋谷駅より徒歩3分、渋谷フクラスのすぐ横にある自転車駐車場です。渋谷区の再開発プロジェクト「道玄坂一丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」の一部として、2019年11月25日から稼働しています。
エコサイクルⓇが1基設置され、総収容台数は204台です。この場所は人通りが多く、敷地が狭いため、周辺環境への配慮が重視されました。エコサイクルⓇが採用された理由は、圧入工法を用いた施工と、自転車を半段ずつずらして収納する独自の千鳥配置構造が高く評価されたためです。
技研製作所は1967年創業の企業で、東京と高知に本社を持ち、駐輪場や圧入機、地下開発製品などを展開しています。1975年には、世界初の油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」を発明し、現在も工事や地下開発の技術を提供しています。
特に駐輪場事業では、「エコサイクルⓇ」という機械式駐輪場が盗難や天候の心配がなく、多くの自転車を収容できます。また、「モバイルエコサイクルⓇ」は短期間で設置・撤去可能で、省スペースで高収容の設計が特徴です。