【PR】

マンション駐輪場の修理・リニューアルガイド|おすすめ商社・メーカー2選

駐輪場の手引き

マンションの駐輪場に放置された住人以外の自転車は撤去してよい?

公開:2024.10.30 更新:2025.08.28
マンションの駐輪場に放置された住人以外の自転車は撤去してよい?
引用元:photoAC

マンションの駐輪場における放置自転車の増加には、住人が新しい自転車を購入後、古い自転車を放置することや、住人以外が駅の駐輪料金を避けるために一時的に駐輪するなどの理由があります。

これに対処するため、駐輪エリアの割り当てやオートロックの設置が効果的です。しかし、勝手に放置自転車を撤去すると「占有離脱物横領罪」や「器物損壊罪」に問われる恐れがあるため注意が必要です。

放置自転車が増える理由

放置自転車
引用元:Photo AC

以前からマンションの駐輪場に所有者不明の自転車が放置されるケースがたびたびありました。近年では、ますます自転車を放置するケースが増加しており、深刻になっています。では、なぜ放置自転車が増加しているのか、原因からみていきましょう。

◇住人の持ち込みによる増加

マンションの住人や以前に住んでいた住人が放置して行くケースが原因のひとつです。現在でも住んでいる住人の場合、新しい自転車を購入して以前に乗っていた自転車はそのまま放置しているケースも少なくありません。放置されたままになると共同スペースの浪費につながり、共同スペースの利用に影響が出る恐れがあります。

すでに退去した住人の持ち物であった場合も、敷地内にずっと残ってしまうため、現在住んでいるマンション住人のスペース利用に支障をきたす可能性が高いです。

◇住人以外による違法駐輪

マンション住人以外でもマンションの敷地内に乗り捨てたり、一時的に駐輪して行くケースも非常に多いです。駅に駐輪する場合、基本的に利用料金がかかります。その料金を抑えるために駅の近くにあるマンションの駐輪場に一時的に駐輪して行くケースも多いです。

また、自転車を処分する際は、基本的に処分する費用も手間もかかるため、マンションの駐輪場に捨てていく人も増えています。

住人以外の自転車なら撤去してもよい?

自転車の撤去
引用元:Photo AC

マンションにある放置自転車は、マンション住人や管理人からするとスペースを占拠されているため、撤去したいと思う方も多いです。しかし、勝手に撤去してしまうと、次の2つの罪に問われる恐れがあります。

◇占有離脱物横領罪

まずひとつ目の罪が「占有離脱物横領罪」です。正式には「遺失物等横領罪」と呼ばれており、刑法254条では「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と定められています。

ここでいう「遺失物」とは、占有している人の意思に関係なく、その人の手元から離れ誰も占有していない状態のもののことです。分かりやすい例では落とし物やゴミ捨て場にあったもの、道端に放置された自転車が遺失物に該当します。

つまり、マンションの駐輪場に放置された自転車であっても勝手に撤去すると罪に問われ、1年以下の懲役または10万円以下の罰金、科料の支払いを命じられる可能性があるため、勝手に撤去しないようにしましょう。

◇器物損壊罪

放置自転車を勝手に撤去すると「器物損壊罪」にも問われる恐れがあります。器物損壊罪とは、故意に他人のものを壊す、または使えない状態にする行為に適用される犯罪です。

刑法261条では「他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と規定されており、占有離脱物横領罪よりも刑罰が重くなります。たとえ放置された自転車であっても勝手に撤去してしまうと刑罰に問われてしまうため、所有者の特定など事前調査が必要です。

◇事前告知後の撤去もグレー

事前告知後の撤去であっても撤去する権限が与えられたわけではありません。事前告知をした上で、勝手に別の鍵をかけて動かないようにする手法もありますが、器物損壊罪に問われる可能性もあります。どちらにしても勝手に撤去する行為は避けたほうがよいでしょう。

【あわせて読みたい】

駐輪場設置に関する法律と自治体条例における駐輪施設の設置ルール

住人以外の放置自転車を減らすには

住民以外
引用元:Photo AC

マンション住人以外に自転車を放置させないためには、対策を考えておくのが重要です。有効な対策には、次の2つの対策があります。

◇住民の駐輪場割り当てを決める

駐輪場が自由に駐輪できるようになっている場合は、自転車ごと駐輪エリアを指定して、駐輪できるエリアを制限する方法が有効です。マンション住人に所有者ステッカーを配布して貼ってもらうことで所有者を明確にでき、放置自転車や本来停めるべき場所に停めていない住人を特定できます。

ただし、ステッカーに部屋番号を記載してしまう形にすると、プライバシーの観点から敬遠される可能性が高いです。そのため、部屋番号以外の番号を割り当てて、所有者の部屋番号は管理人・管理会社や管理組合が把握できるようにするとよいでしょう。

◇住人以外の人が駐輪場へ入れないようにする

住人以外の自転車の放置を防止する方法として、駐輪場に住人以外が侵入できないようにする手法も有効です。マンションと駐輪場の間、駐輪場とマンションの外との間両方にオートロックを導入することで、マンション住人以外が駐輪場に侵入できなくなります。

外出する際に複数のオートロックを解除しなければならなくなるため、出入りが面倒になってしまいます。しかし、その分セキュリティ面を強化できるのが利点です。

放置自転車への対処

駐輪禁止のカラーコーン
引用元:Photo AC

長期間放置されている自転車がある場合、駐輪スペースの圧迫だけでなく、防犯面での不安や見た目の悪さなど、さまざまな問題が発生します。だからといって勝手に撤去してしまうと占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪)や器物損壊罪に問われる恐れもあるため、安易に手出しできません。

正しく撤去するためにも撤去手順や回収先について知っておくのが重要です。

◇撤去の流れ

放置自転車に付けられたタグ
引用元:Photo AC

放置された自転車を撤去する場合は、事前準備と周知〜対象の自転車のタグ付け・情報を記録、警察へ届出〜撤去・処分の順で行い、最後に記録を保管しておきます。具体的な手順内容は次のとおりです。

・事前準備・周知~対象の自転車にタグ付け・情報を記録
事前準備・周知では、マンションの全住人・区分所有者に放置自転車の撤去を、掲示板への掲示またはチラシを配布して通知します。通知する際は、撤去の実施日・対象の自転車の特徴・撤去を望まない場合の申し出の方法の3つを明記しておくことが重要です。

住人などに周知した後は、対象の自転車に撤去予定日を明記した警告タグを付けます。タグは、所有者が気づきやすい色や文字の大きさにするのがポイントです。また、放置されている証拠写真や自転車の防犯登録番号などを控えておくと、警察に相談する際などに役立ちます。

・警察へ届出~撤去・処分
警告期間が過ぎても撤去されない場合は、警察へ届け出なければなりません。警察では防犯登録番号を基に照合を行い、盗難された自転車でないか確認を行います。万が一、盗難された自転車だった場合は、警察を通じて所有者に返還されるのが一般的です。

それ以外は、警察から撤去の指示が出されるため、指示に従って撤去・処分を行います。撤去は回収業者に依頼して完了です。撤去費用は貸主または管理組合が負担します。

撤去・処分が完了したら、万が一、トラブルが発生した際に対処できるよう警察へ届け出た記録や指示内容、証拠写真などを記録・保管しておくのが重要です。

◇回収の依頼先

放置自転車は、不用品回収業者や自転車専門の回収業者に依頼すれば撤去できます。回収費用は1台数百円〜1000円ほどが相場です。業者によっては無料で回収しているケースもあるため、調べておくとよいでしょう。
多くの業者は、タイヤがない自転車や壊れている自転車など、状態が酷い場合でも回収してくれます。ただし、中には自転車の状態によって回収できないと断られるケースもあるため事前に確認が必要です。

【あわせて読みたい】

放置自転車ゼロへ!自治体による駐輪場整備とその設計基準

それでも放置自転車が減らない場合はどうする?

二段式ラック
引用元:Photo AC

放置自転車対策を講じても、なかなか思うように減らないケースも少なくありません。その場合には、駐輪環境そのものを改善する視点が求められます。ここでは、収容力を高めたり駐輪場を拡張したり、有料化によって秩序を保つといった、より実効性のある対策を紹介します。

◇収容台数を増やす

2段式ラックは上下に収納して駐輪台数を増やせる設備で、狭い敷地に適しています。スライド式ラックは横に動かせるため、天井が低い場所でも効率よく自転車を収容できます。

・2段式ラック

駐輪場
引用元:Photo AC

限られた敷地を最大限活用する方法として、2段式ラックの導入があります。特にマンションや都市部の駐輪場では「駐輪台数を増やしたいが、横のスペースが足りない」という課題が多く聞かれます。2段式ラックは上下2段に自転車を収容するため、同じ面積で単純に2倍近い台数を確保できます。

さらに近年はバネやガススプリングを利用して女性や高齢者でも軽く上段を利用できるタイプも普及しており、使いやすさの面でも改善されています。ファミリー層に多い電動アシスト自転車や三人乗り自転車対応のモデルも登場しており、大型車両でも安心して収納できるのが特徴です。

導入の際は、天井高や通路幅など設置条件を確認し、利用者層に合わせた仕様を選ぶことが重要です。

・スライド式

スライド式ラック
引用元:Photo AC

一方で、天井高が確保できない駐輪場や地下・半地下の施設ではスライド式ラックが有効です。スライド式はラック自体を左右に動かすことができるため、自転車同士のハンドル干渉を防ぎ、効率よく収容できます。

限られたスペースを無駄なく活用できるだけでなく、電動アシスト自転車や子ども乗せ自転車など重量のある車両でも出し入れが容易なのがメリットです。

前後交互に収容するタイプや、高低差を設けてさらに台数を増やせるタイプもあり、設置環境に合わせた柔軟な選択が可能です。また、オプションとしてフットブレーキや安定機構を備える製品もあり、日常的に利用する際の安全性や快適性が向上します。

◇駐輪場を増やす

既存の駐輪場が慢性的に不足している場合には、思い切って駐輪場を増設する方法があります。まず検討したいのは敷地内の「デッドスペース」の活用です。建物脇の狭いスペースや植栽帯の一部など、日常的には利用されていない空間を整備すれば、追加の駐輪区画として有効利用できます。

ただし、消防法や建築基準法の避難経路を妨げないかなど安全性の確認は欠かせません。

さらに、屋根付きの駐輪場や駐車場を新設・増築する場合には、建築物とみなされるため原則として「建築確認申請」が必要です。特にマンションなど共同住宅では、建蔽率や容積率の規制を満たすかどうかも重要なチェックポイントになります。

申請手続きは建築士事務所に依頼するのが一般的で、適法に整備しておくことで将来的な資産価値を守ることにもつながります。

◇有料化する

有料駐輪場の精算機
引用元:Photo AC

マンションや公共施設の駐輪場では、有料化が放置自転車の抑止や整備費用の確保に有効とされています。

・マンション

マンション駐輪場の乱雑化や放置自転車問題に有効な手段の一つが「有料化」です。例えば駐輪シールを発行し、更新時に1,000〜3,000円程度の費用を徴収する方法や、シール自体は無料で配布しつつ月額100〜300円の駐輪場使用料を管理費と一緒に徴収する方法があります。

有料化によって「とりあえず置いておく」という無責任な利用を抑止でき、実際に利用する住民のみに利用を絞り込むことが可能です。

また、収入を駐輪場の修繕や防犯設備の強化に回すことで、快適で安全な環境を維持できます。さらに、利用が停滞している駐車区画を駐輪場に転用する際も、管理組合として有料化を前提に計画すれば公平性を保ちやすくなります。

ただし、無料から有料に切り替える場合には総会承認が必要であり、事前に住民への丁寧な説明が不可欠です。

・公共の駐輪場

公共駐輪場でも無料利用がトラブルを生むことが多く、有料化によって改善が期待されます。メリットとしては、まず放置自転車の激減です。料金が発生することで長期放置や不正駐輪が抑制され、結果的に通路が確保され安全性が高まります。

また、商業施設や駅周辺の公共施設では、本来の利用者以外の駐輪を減らせる点も大きな効果です。例えば「最初の2時間無料、その後は有料」といった仕組みにより、買い物や通勤客以外の長時間利用を防ぎ、利用者満足度の向上につながります。

さらに、利用料を財源として駐輪ラックの更新、防犯カメラ設置、システムメンテナンスなどの管理費用を賄えるため、運営側の負担軽減と収益確保が可能です。もちろん初期導入コストや路上駐輪の増加といった課題もありますが、自治体や管理者が広報や周辺整備とセットで進めれば効果的な施策となるでしょう。

駐輪場の改修・増設で放置自転車が減った事例

駐輪場
引用元:Photo AC

放置自転車対策には、単なる撤去だけでなく駐輪場の改修や増設といった抜本的な環境改善が欠かせません。マンションや自治体が抱える課題に合わせた施工事例では、限られた敷地を有効活用しながら利便性と安全性を両立しています。

ここでは、実際に駐輪場の整備によって放置自転車が減少し、住民や利用者の満足度が向上した具体的な事例を紹介します。

◇マンション

マンションの駐輪場課題は、スペース不足や老朽化した設備、電動自転車の普及など多岐にわたります。ここでは、実際にビシクレットが手掛けた駐輪場改修事例を紹介し、限られた敷地を有効活用しながら利便性と安全性を両立させた工夫を見ていきます。

・デッドスペースを駐輪場に活用した事例

受水槽跡地の駐輪場
引用元:株式会社ビシクレット

あるマンションでは、老朽化した受水槽を撤去した跡地が長らく活用されず、敷地内のデッドスペースとして残されていました。しかし、駐輪場不足や高齢化に伴う使いづらさの声が増えていたことから、この未利用スペースを駐輪場に転用する大規模リニューアルが実施されました。

計画段階では、旧式2段式ラックでは高齢者や電動アシスト自転車利用者に不便が多いという課題が浮き彫りとなり、管理組合と施工会社が検討を重ねました。

最終的には、受水槽跡地を中心に敷地レイアウトを見直し、スライド式自転車ラックを導入。これにより重量のある電動自転車にも対応できるようになり、従来より収容台数を増やしつつ操作性を大幅に改善しました。さらに、老朽化していた駐輪場屋根も新設し、舗装やフェンス、門扉まで一体的に整備することで景観面でも統一感を持たせています。

工事は建築確認申請を含む広範囲な内容となり、約1か月を要しましたが、完成後には「見た目が美しく、誰でも使いやすくなった」と住民から高い評価を得ました。

この事例は、限られた敷地内でもデッドスペースを有効活用することで、利便性と安全性を両立させた好例といえます。単なるラックの設置にとどまらず、将来の居住環境や高齢者への配慮を踏まえた設計が行われた点が大きなポイントです。

・使っていない駐車場を駐輪場に活用した事例

立体駐車場を駐車場へ改修
引用元:株式会社ビシクレット

あるマンションでは、慢性的な駐輪台数不足に加え、機械式立体駐車場の空きが増え、維持管理費だけが定期的に発生する状況に悩まされていました。敷地内に新たな空地もなく、既存駐輪場を拡張する余地もないことから、管理組合は「使われていない立体駐車場を駐輪場に転用する」方向でリニューアルを検討しました。

しかし、立体駐車場を撤去して新たに駐輪場を設置するには、建築確認申請が大きな課題でした。そこでビシクレットは、竣工図書の確認や役所関連部署へのヒアリング、現地調査を繰り返し、事前に許可取得の可能性を見極めた上で計画を提案します。

工事は、立体駐車場の解体から地下部の埋め戻し、土間工事、屋根と自転車ラックの設置まで一連の工程をワンストップで実施。最終的にBC-40ラックとシャオンルーフSを組み合わせ、機能性と景観性を両立した駐輪場へと生まれ変わりました。

完成後は、増えた駐輪台数と使いやすい動線により、居住者から高い満足度を得る結果となりました。この事例は、使われていない設備を撤去して有効活用し、法令を順守しながら資産価値を高めた好例といえます。

・ラックを入れ替えた事例

電動自転車対応自転車ラック
引用元:株式会社ビシクレット

都内の坂が多いエリアにあるマンションでは、電動アシスト自転車の普及により既存の駐輪場が機能しなくなっていました。16年前に設置された旧式2段式ラックは、重量のある電動自転車を収容できず、住民はラックの外に駐輪せざるを得ない状況です。

さらに上段は操作が重くほとんど使われず、駐輪スペース不足が深刻化していました。管理組合からの相談を受け、ビシクレットは現地調査を行い、利便性と安全性を両立させるリニューアルを提案しました。

導入したのは、トップガイド付きで横倒れを防ぎ、安定した出し入れが可能な電動自転車対応スライドラック「エニイスライドBC-OSF」。また、ラックを固定しながら扱えるフットブレーキを採用することで、重い自転車でもスムーズに操作できる環境を整えました。

工事は既存駐輪場を使用しながら進める必要があり、居住者の安全確保が大きな課題でしたが、管理人との連携や養生・声掛けを徹底し、通行や生活への影響を最小限に抑えました。

結果として、電動自転車が安心して利用できる駐輪場へと生まれ変わり、利便性向上に対する評価は高く、追加でバリカー設置の依頼もいただきました。今回の事例は、単なる設備更新にとどまらず、住民の生活環境を改善する「使いやすさを最優先した改修」として大きな成果を上げたといえます。

◇自治体

自治体が抱える駐輪場不足の課題は、駅前や繁華街など利用者が集中する地域で特に顕著です。新たに土地を確保するのは難しく、限られたスペースをどのように活用するかが大きなポイントになります。

ここでは、ビシクレットが手掛けた自治体向け駐輪場の事例として、「高架下を有効利用したケース」と「植栽を撤去して駐輪帯に転用したケース」を紹介します。いずれも都市部ならではの制約をクリアし、利用者の利便性と地域環境の改善を両立させた好例です。

・高架下を駐輪場に活用した事例

北綾瀬北自転車駐車場
引用元:株式会社ビシクレット

東京メトロ千代田線・北綾瀬駅直結の公共駐輪場では、合計400台を収容しつつ、大型の電動アシスト自転車にも対応できる施設づくりが求められていました。依頼時に提出されていた他メーカーのプランはラックを詰め込みすぎており、満車時には台数が収まりきらない懸念があったため、ビシクレットが改めて設計を担当します。

梁下の高さを最大限活用することを前提に、現地で精密な測量を行い、収容効率と操作性を両立させるプランを練り直しました。

具体的には、梁下でもスムーズに出し入れできる垂直2段式ラックを採用し、上段の操作性を確保。下段は三人乗りの電動アシスト自転車にも対応できる仕様とし、上段ラックが難しい部分は大型自転車用エリアとして整備しました。

さらに、多様な利用者に対応するため、平置きエリアも設置。結果として、希望台数を確保しながら大型自転車や特殊車種にも対応できる駐輪場が完成しました。利便性と安全性に配慮した設計は利用者から好評で、駅直結という立地特性を最大限に生かした事例となっています。

・植栽を撤去し駐輪帯に活用した事例

秋葉原駅駐輪場
引用元:株式会社ビシクレット

秋葉原駅周辺は乗降客数が多く、自転車利用も活発な一方で駐輪場が不足し、放置自転車が社会問題となっていました。しかし駅前に新たな駐輪場用地を確保するのは困難。そこで千代田区は駅前の歩道上に設置されていた植栽に注目し、これを撤去して駐輪帯に活用する計画を立てました。

ビシクレットは現調・設計から施工、メンテナンスまで一貫対応し、歩道沿いに整然と並ぶ駐輪帯を新設。歩道と駐輪エリアを明確に分けるために突起区画線を設け、区画の乱れを防止しました。さらに、駅前という立地に合わせ、防犯用の高性能ネットワークカメラや大型の満空灯を導入し、安全性と利便性を向上します。

デザイン面でも千代田区カラーの青を駐輪機や看板に採用し、地域のブランドイメージに調和する景観を実現しました。

結果として、駅前1分以内という抜群の立地に新設された駐輪帯は利用者に重宝され、放置自転車の激減と街の美観向上に大きく貢献しました。このように、既存の植栽スペースを活用する発想と、地域特性に配慮した設計が功を奏した好例といえます。

【あわせて読みたい】

マンション駐輪場の有料化が進んでいる?理由や注意点を解説

駐輪場の新設・改修でおすすめの会社3選

駐輪場の不足や老朽化は、多くのマンションや自治体で共通する課題です。そこで実績豊富な専門会社に依頼することで、限られた敷地を有効活用しつつ、利便性・安全性を両立した駐輪場づくりが可能になります。ここでは、数ある企業の中から特に信頼できる3社を紹介します。

◇日本サンサイクル株式会社

日本サンサイクル株式会社
引用元:日本サンサイクル株式会社

日本サンサイクル株式会社は、創業40年以上の実績を持ち、駐輪場・駐車場の設計から施工、管理運営までをトータルでサポートできる専門企業です。

メーカーとして培った技術力と商社としてのネットワークを兼ね備え、幅広い製品を提供してきました。利用者目線で快適に使える駐輪場づくりを強みとし、コンサルティングから施工まで一貫対応が可能です。

同社の特徴は、駐輪場の収容力を高める施策です。代表的な「スライド式ラック」は、自転車を左右に動かして収容できるため、ハンドル干渉を防ぎながら効率的に台数を増やせます。また「2段式ラック」は上下で収納でき、ガススプリングやオートリターン機構を搭載することで、高齢者や女性でも軽い力で利用可能です。

会社名日本サンサイクル株式会社
所在地〒103-0014
東京都中央区日本橋蛎殻町1-7-9
電話番号03-3639-4911
公式ホームページhttps://www.sancycle.co.jp/

さらに、活用されていない敷地を駐輪場に変える「場所増設」も実績があります。基礎工事と屋根を設けて新たな区画を整備することで、収容台数の増加と景観改善を同時に実現しました。これら多様な施策により、自治体やマンション、商業施設での駐輪環境改善に貢献し、放置自転車対策にも大きな効果を上げています。

日本サンサイクル株式会社の口コミ評判記事はこちら!

日本サンサイクルは駐輪場・駐車場の管理・運営をサポート

さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。

日本サンサイクル株式会社の公式ホームページはこちら

◇芝園開発株式会社

芝園開発株式会社
引用元:芝園開発株式会社

芝園開発株式会社は、「眠っている土地を社会のために活かす」を理念に、駐輪場や駐車場の整備・運営を手掛ける企業です。建物オーナー、自治体、利用者それぞれの立場に合わせたサービスを提供し、都市の課題を解決する伴走者として評価を得ています。

特に強みとして掲げているのが、自社ブランド「LIXTA」による自転車対策まるごとDXです。

このDXソリューションは、放置自転車対策システム「CAPTURE」、定期利用駐輪場運用システム「TEKINESS」、24時間対応の「リクスタコンタクトセンター」を柱とし、自治体や事業者が抱える煩雑な業務を一元管理するのが特徴です。

撤去・保管・返還までリアルタイムで管理できるほか、駐輪場利用の申込や更新もオンライン化し、住民サービスの質を高めます。さらに問い合わせ窓口を一本化することで、自治体職員の負担軽減と住民満足度の向上を同時に実現します。

実際に錦糸町駅周辺では、自治体と連携した総合対策により、放置自転車がわずか半年で激減。川崎市や板橋区など全国の自治体でも導入が進み、放置率0.1%未満を達成するなど大きな成果を上げています。

会社名芝園開発株式会社
所在地〒120-0034
東京都足立区千住3-66-16-7-9
電話番号03-3870-0041
公式ホームページhttps://www.sibazono.co.jp/lixta

限られた予算と人員で成果を求められる現場において、芝園開発の「まるごとDX」は、効率化と利用者サービスを両立する有力な解決策といえるでしょう。

芝園開発株式会社の口コミ評判記事はこちら!

放置自転車対策に注力しているLIXTA(芝園開発株式会社)とは?

◇ヨコトク株式会社

東海技研株式会社
引用元:東海技研株式会社

ヨコトク株式会社は、1979年に日本で初めて2段式自転車駐輪装置を開発・設置した老舗メーカーです。以来40年以上にわたり、駐輪ラックや搬送用コンベア、保管用ラックなど多様な製品を提供し、全国で累計100万台以上の装置を設置してきました。

「シンプルな製品づくり」をモットーに、利用者目線の設計と確かな技術力で業界をリードし続けています。

同社の強みは、ラックや上屋の製造販売だけでなく、設計・施工から保守点検・修理までを一貫対応できる点です。特に駅前や大規模駐輪場で多く導入されている搬送用コンベア「サイクルライン」は、自転車の移動をスムーズにし、利用者の負担を大幅に軽減。全国の自治体や鉄道会社から高く評価されています。

さらに近年は、ITを活用したスマート駐輪システム「スマチュー(SMACHU)」を展開。精算機を設置せず、利用者はスマートフォンからLINEを通じて登録・決済・解錠まで完結できる仕組みです。キャッシュレス対応で盗難防止ロックも搭載し、小規模駐輪場(16台〜48台規模)でも黒字運営を可能にしました。

加えて、運営者は売上管理や利用状況のモニタリング、遠隔ロック操作が可能となり、省人化と効率化を実現しています。

会社名東海技研株式会社
所在地〒222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜2-7-19
電話番号045-471-8300
公式ホームページhttps://www.tokaigiken.co.jp/

長年の技術力と最新のDXサービスを兼ね備えるヨコトクは、従来型の大規模駐輪場から小規模運営まで幅広いニーズに対応し、利用者と運営者双方にメリットを提供する企業です。

東海技研株式会社の口コミ評判記事はこちら!

東海技研はさまざまな駐輪場管理システムを開発!導入事例を紹介

まとめ

駐輪場
引用元:Photo AC

マンションの駐輪場における放置自転車の増加は深刻な問題となっています。主な原因として、住人が新しい自転車を購入した後に古い自転車を放置するケースや、すでに退去した住人の自転車がそのまま残されることが挙げられます。

また、駅周辺の駐輪料金を避けるために、住人以外がマンションの駐輪場に無断で自転車を一時的に駐輪したり、処分費用を節約したりするために違法に乗り捨てられるケースも多くなっています。

放置自転車の撤去には慎重な対応が求められます。無断で撤去すると「占有離脱物横領罪」や「器物損壊罪」に問われるリスクがあり、特に住人以外の自転車であっても勝手に処分することは法律で禁止されています。

したがって、撤去する際にはまず事前に住人や所有者に対して告知を行い、警告タグをつけた後に警察へ届け出る必要があります。警察は自転車の防犯登録番号を確認し、盗難車両かどうかを調査した上で、撤去の許可を出します。その後、専門の回収業者に依頼して自転車を撤去しますが、撤去費用は通常、マンションの管理組合や所有者が負担します。

放置自転車を未然に防ぐ対策として、住人に駐輪スペースを割り当て、所有者ステッカーを発行して管理する方法や、オートロックを駐輪場に導入して外部の人が勝手に駐輪できないようにする対策が考えられます。撤去後のトラブルを避けるためにも、撤去の証拠や記録をしっかりと保管しておくことが重要です。

このように、マンションの放置自転車問題を解決するためには、適切な手続きと対策を講じることで、住環境を保ちながら問題を円滑に処理できます。

この記事を読んでいる人におすすめ

マンション駐輪場で電動自転車が抱える問題とは?改修事例を紹介

この記事を読んでいる人におすすめ

迷惑駐輪を減らすには?各自治体の取り組みを紹介

この記事を読んでいる人におすすめ

公共駐輪場が足りない!どのような対策ができる?