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駐輪場の手引き

駐輪場にもソーラーパネルの設置が可能!発電の仕組みと導入事例

公開:2024.11.19 更新:2024.11.19
駐輪場にもソーラーパネルの設置が可能!発電の仕組みと導入事例
引用元:photoAC

ソーラーパネルは、太陽光を電気に変換する装置で、シリコン半導体を用いて光起電力効果によって発電します。駐輪場に導入する場合、初期費用として設備費・工事費・諸経費がかかり、一般的に1kWあたり20万~30万円が相場です。

設置により、電力の自給自足が可能となり、電気代の削減や非常用電源の確保、電動アシスト自転車の充電環境の提供などの利点があります。世田谷区や新潟市では、太陽光パネルを活用した駐輪場が導入され、エネルギーの効率的な利用が進められています。

ソーラーパネルが発電する仕組み

ソーラーパネルは、太陽光エネルギーを直接電気に変換する装置であり、クリーンで持続可能なエネルギー源として注目を集めています。以下では、ソーラーパネルの基本的な構造と、太陽光をどのように電気に変えるのかについて詳しく解説します。

◇ソーラーパネルとは

ソーラーパネルとは、太陽光を受けて電気を発生させる「太陽電池」が複数集まったパネルのことです。このパネルの主な構成要素である「太陽電池」は、シリコン半導体で構成されており、太陽光を受けることで電力を生成する仕組みです。

ソーラーパネルの外部は通常、ガラスで覆われ、耐久性を高めるためにアルミフレームが用いられるのが通常です。ソーラーパネルは、住宅の屋根やビルの屋上だけでなく、空き地や大規模な太陽光発電所にも設置されます。

◇ソーラーパネルの発電の仕組み

ソーラーパネルの発電は、「光起電力効果」と呼ばれる現象を利用しています。太陽光がパネル内のシリコン半導体に当たると、光の粒子である光子がエネルギーを与え、シリコン内部の電子を活性化させます。この活性化した電子が移動することで電流が生み出される仕組みです。

シリコン半導体には、電子を自由に移動させる「N型層」と、電子を受け入れる「P型層」が重なっています。光エネルギーを受けた電子がN型層からP型層に移動することで電流が発生します。この生成された電流は「直流電流」として得られますが、家庭で使用するには「パワーコンディショナー」という装置で「交流電流」に変換され、家庭や施設に供給されます。

また、発電量が使用量を上回る場合には、余剰電力を電力会社に売電することも可能です。

駐輪場にソーラーパネルを導入する費用の目安

ソーラーパネル
出典:photoAC

ソーラーパネルを駐輪場に導入することで、再生可能エネルギーの活用が可能になり、電力の自給や環境保全に貢献できます。ここでは、駐輪場にソーラーパネルを設置する際の費用の目安について説明します。

◇ソーラーパネル設置で発生する費用

駐輪場にソーラーパネルを導入する際の費用は、主に「設備費」「工事費」「諸経費」に分けられます。

・設備費
ソーラーパネル本体の価格は、一般的に1kWあたり約20万~30万円です。例えば、3kWのシステムを導入する場合、設備費は約60万~90万円となります。この費用には、パワーコンディショナー(PCS)や延長ケーブルなども含まれます。

・工事費
設置作業や配線工事にかかる費用は、全体の費用の約25%が目安です。例えば、全体の費用が80万円の場合、工事費は約20万円となります。

・諸経費
許認可の申請や必要な書類の手続きにかかる費用は、全体の費用の約15%が目安です。例えば、全体の費用が80万円の場合、諸経費は約12万円となります。

◇駐輪場屋根と太陽光パネルを一体化させた商品の価格

駐輪場の屋根とソーラーパネルを一体化させた製品もあり、一般的な価格の目安は以下のとおりです。

・製品価格
太陽光パネル一体型の駐輪場屋根の価格は、設置規模や使用するパネルの種類によりますが、1基あたり約50万~150万円程度です。ただし、発電システムを構成するパワーコンディショナー(PCS)や延長ケーブルなどの費用が別途発生します。

例えば、2台分の駐輪スペースをカバーする小型システムでは約50万円前後、10台分以上をカバーする大規模システムでは約150万円程度が目安です。これらの価格は、使用する材料の品質やデザイン、耐久性、発電容量などによっても変動します。

ソーラーパネルを設置すればバッテリーの充電が可能に

ソーラーパネルを駐輪場に設置することで、電力を自給自足できるだけでなく、日常の利便性向上や非常時の備えとしても多くのメリットがあります。以下にその主な利点を説明します。

◇電気代を削減できる

駐輪場の運営には、照明や精算機などの電気設備が必要不可欠であり、それらの電力消費が運営コストの一部を占めています。ソーラーパネルを導入することで、これらの電力を再生可能エネルギーでまかなうことが可能です。

例えば、日中にソーラーパネルで発電した電力を駐輪場内のLED照明や精算機に利用すれば、電力会社から購入する電力を削減できます。さらに、発電量が消費量を上回った場合は、余剰電力を売電することで収益を得ることも可能です。

初期費用はかかりますが、長期的には電気代の削減効果が蓄積され、経済的なメリットが期待できます。

◇非常用電源が確保できる

ソーラーパネルとバッテリーを組み合わせることで、災害時や停電時に電力を供給する非常用電源として活用できる点も大きな利点です。災害時には精算機や照明などの電力供給を維持できるため、混乱を軽減し、利用者の安全を確保できます。

また、蓄電された電力を使用すれば、夜間や曇天時でも電力を供給できるため、駐輪場の機能を継続的に維持することが可能です。こうした防災対応の機能は、施設の付加価値を高める要素となります。

◇電動アシスト自転車の充電ができる

近年、電動アシスト自転車の利用が増加しており、充電環境の整備が重要になっています。ソーラーパネルを駐輪場に設置することで、充電ステーションとしての機能を提供できるのもメリットです。

日中に発電した電力を直接利用して充電を行うことで、再生可能エネルギーの利用を促進しつつ、利用者の利便性を向上させます。さらに、無料または低コストで充電サービスを提供することで、駐輪場の利用率を高める効果も期待できます。

駐輪場にソーラーパネルを導入した事例

ソーラーパネルを駐輪場に導入することで、エネルギーの自給自足を実現し、環境負荷の低減と利便性向上を同時に達成する取り組みが進められています。以下に、実際に駐輪場へソーラーパネルを導入した事例を紹介します。

◇世田谷区における導入事例

東京都世田谷区では、太陽電池とリチウムイオン電池を組み合わせた完全独立型の「ソーラー駐輪場」が導入されています。この駐輪場では、屋根に設置された「HIT太陽電池パネル」を利用し、発電した電力を「リチウムイオン蓄電システム」に蓄える仕組みです。

このシステムにより、日中に発電した電力を効率的に蓄電し、駐輪場の照明や電動ハイブリッド自転車の充電に活用しています。さらに、独立型であるため商用電源を必要とせず、夜間や雨天時でも蓄電した電力を使用して安定した電力供給を可能にしています。

◇新潟市における導入事例

新潟市では、屋根に太陽光パネルを組み込んだ駐輪場「ソライユポート」が設置され、実証実験が行われています。このシステムは、駐輪場の屋根を発電システムとして活用し、そこで発電された電力を自家消費型のエネルギーとして駐輪場運営に使用するものです。

実証実験を経て、2025年の商品化を目指しており、地域社会における再生可能エネルギーの普及促進を目指す試みとなっています。「ソライユポート」は、太陽光発電による電力を駐輪場の運営に役立てるだけでなく、将来的には電動自転車の充電やその他の電力需要にも対応する計画が進められています。


ソーラーパネルは、シリコン半導体を用いた光起電力効果により、太陽光を直接電力に変換する装置です。駐輪場への導入には、一般的に1kWあたり20万~30万円の費用がかかり、初期費用として設備費、工事費、諸経費が含まれます。3kWシステムを導入する場合の総費用は、約80万~120万円が目安です。

具体的な導入効果としては、駐輪場内の照明や精算機などの電力をソーラーパネルで賄うことで、電気代が削減される点が挙げられます。余剰電力を電力会社に売電することで、追加収益を得ることも可能です。また、災害時や停電時には、蓄電システムと組み合わせることで非常用電源としての機能も果たし、混乱を軽減し、利用者の安全を確保できます。

世田谷区や新潟市の事例では、駐輪場の屋根にソーラーパネルを設置し、完全独立型の電力供給システムを構築しています。世田谷区では、HIT太陽電池パネルとリチウムイオン電池を組み合わせたシステムにより、日中の発電で得た電力を効率的に蓄電し、夜間や悪天候時にも安定した電力供給が可能になっています。

新潟市では「ソライユポート」と呼ばれる実証実験が進行中で、駐輪場の屋根を発電設備として活用しています。このシステムでは、発電した電力を駐輪場の運営や電動アシスト自転車の充電に使用し、エネルギーの地産地消を促進しています。また、将来的にはこの技術を商品化し、他の地域や施設への普及も目指しています。

こうした取り組みは、駐輪場の利便性や経済性を向上させるだけでなく、エネルギーの効率的な活用を進める一環として注目されています。特に、電動アシスト自転車の普及が進む中、充電環境の整備は需要が高く、ソーラーパネルの導入は駐輪場の付加価値を高める施策として評価されています。