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駐輪場の手引き

駐輪場の塗床工事で得られる効果と耐用年数を延ばす方法

公開:2024.11.19 更新:2024.11.19
駐輪場の塗床工事で得られる効果と耐用年数を延ばす方法
引用元:photoAC

塗床(ぬりゆか)は、コンクリート床を保護するための塗装工法で、機能性や耐久性を向上させる役割を持ちます。防塵・防滑効果や耐薬品性、耐摩耗性があり、清潔な環境を保つ目的でも行われます。

駐輪場での施工は、塗膜が剥がれやすく維持コストが高いため、費用対効果の検討が必要です。施工には下地処理や均一な塗布、コーティングが求められ、適切なメンテナンスにより耐用年数を延ばせます。

コンクリートを保護する塗床とは

塗床(ぬりゆか)とは、下地コンクリートに塗料を塗って仕上げる床塗装のことです。塗床の種類と、その目的を詳しく見ていきましょう。

◇塗床の目的

塗床の目的は、床面に塗装を施すことで機能性や耐久性を高めることです。防塵や防滑の効果があり、清潔な環境を維持することにも役立ちます。また、耐薬品性や耐油性を持たせることで、化学薬品や油の使用が多い施設でも床材の劣化を防ぎます。

さらに、耐摩耗性や耐衝撃性に優れた塗床は、重機や人の通行による摩耗や衝撃から床を保護する役割も担っています。デザイン性の面でも、色分けやロゴの埋め込みが可能で、視覚的な分かりやすさやブランドイメージの向上にも効果的です。

施工が比較的容易で短期間で済む点も、塗床が多くの施設で採用されている理由のひとつです。

◇塗床の種類

塗床の種類は、塗り厚により薄膜タイプと厚膜タイプがあります。薄膜タイプはローラーを使って、厚膜タイプはコテを使って施工します。使用する樹脂にもアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、MMA樹脂などの種類があり、用途や目的に応じて使い分けられています。

例えば、アクリル樹脂塗床の主な用途は防塵です。施工期間が短くて済むため、店舗や商業施設のリニューアル時などによく利用されます。ウレタン樹脂塗床は、柔軟性が高く、耐衝撃性や防滑性が求められる場所に向いており、スポーツ施設や駐車場などで使用されることが多いのが特徴です。

エポキシ樹脂塗床は、耐摩耗性や耐薬品性に優れており、工場や倉庫、研究施設で使用されることが多く、特に重機の通行や薬品のこぼれが想定される場所に適しています。MMA樹脂は、硬化にかかる時間が短く、耐薬品性に優れ、抗菌性を兼ね備えているため、低温倉庫や駐車場等の施工に適した塗床材です。

駐輪場にも塗床工事をするべき?

塗床
出典:photoAC

多くの施設で採用されている塗床ですが、駐輪場にも塗床工事をするべきなのでしょうか。こちらでは、駐輪場に塗床を施工する場合のデメリットをご紹介します。

◇塗装が剥がれやすい

駐輪場に塗床を施工する場合のデメリットとして大きいもののひとつが、塗装の剥がれやすさです。駐輪場は、自転車のスタンドやタイヤが頻繁に接触するため、摩耗が激しくなります。特に、タイヤの摩擦やスタンドの設置による点荷重が集中することで、塗床の表面が傷つき、塗膜が剥がれやすくなるのです。

さらに、雨水や泥、砂などの異物が持ち込まれることで、塗膜の劣化が進行しやすくなる点も見過ごせません。特にエポキシ樹脂など硬質な塗床材の場合、衝撃によりひび割れが生じ、その部分から剥がれが広がることがあります。塗装が剥がれると、床面が滑りやすくなり、安全性が低下するだけでなく、見た目も悪くなるため、定期的なメンテナンスも必要です。

また、剥がれた部分から水分が浸入すると、床材自体の劣化を早め、修繕コストが増大する可能性もあります。駐輪場での使用には、耐摩耗性の高い材料や、適切な下地処理が重要です。

◇費用が発生する

駐輪場に塗床を施工する際に、コストが発生する点もデメリットのひとつです。まず、塗床の施工には材料費や施工費がかかり、特に広い駐輪場での費用は高額で、1㎡あたり1500円~4500円が目安となります。さらに、駐輪場は自転車の出入りやスタンドによる点荷重が頻繁にかかるため、塗装が摩耗しやすく、剥がれやすい環境です。

このため、定期的な補修やメンテナンスが必要になり、追加の修繕費用が発生します。特に、塗膜が剥がれたまま放置すると、床面が滑りやすくなり、自転車の転倒リスクが高まるため、安全面からも早期の修繕が必要です。

また、剥がれた塗床の下地に水分が浸入すると、コンクリートの劣化が進み、さらに大掛かりな補修工事が必要になる可能性があります。この場合、補修費用だけでなく、工事期間中の駐輪場の使用制限や利用者への影響も考慮しなければなりません。

これらのメンテナンスや補修のコストは、初期の施工費用に加えて長期的なランニングコストとしてかかるため、駐輪場に塗床を施工する際は、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

塗床工事の流れ

塗床工事を行うことになった場合、工事はどのような流れで行われるのでしょうか。ここでは塗床工事の流れを解説します。

◇下地処理を行う

塗床工事において、下地処理は非常に重要な工程です。下地処理とは、塗装を行う前に床面を適切に整える作業のことを指します。まず、コンクリート表面の汚れや油分、ほこりなどを除去し、塗膜の密着性を高めるために、サンダーやショットブラストなどの機械で表面を研磨するのが一般的です。

この工程により、床面の凹凸やひび割れが均され、塗料の吸着力が向上します。また、ひび割れや欠損部分があれば、補修材を用いて修復。下地処理が不十分だと、塗膜が剥がれやすくなり、耐久性や仕上がりに悪影響を及ぼすため、丁寧な作業が求められます。

このように、下地処理は塗床工事の品質を左右する重要なプロセスです。

◇塗床材を均一に広げる

塗床工事において、塗床材を均一に広げる工程は仕上がりの品質を左右する重要な作業です。下地処理を終えた床面に塗床材を流し込んだ後、ヘラやローラーを用いて、表面を均一に広げていきます。この際、ムラや気泡ができないように注意し、厚みを均一に保つことがポイントです。

均一に広げられた塗床材は、乾燥後に滑らかで強度のある仕上がりとなります。施工者の技術によって仕上がりが大きく変わるため、細心の注意が求められる工程です。

◇コーティング材を塗布する

塗床工事の最後の工程として、コーティング材の塗布が行われます。この工程は、床面の保護や仕上げの美観向上が目的です。塗床材が乾燥した後、トップコートとして耐摩耗性や耐薬品性の高いコーティング材をローラーやスプレーで均一に塗布します。

コーティング材は、床面に透明な保護層を形成し、汚れや傷からの保護、光沢感の向上にも寄与するため、この工程も非常に重要です。さらに、滑りにくい表面を作ることも可能で、安全性の向上にも繋がります。この仕上げにより、塗床の耐久性が高まり、長期間にわたり美しい状態を保てるのです。

塗床を長持ちさせるためのポイント

費用をかけて施工した塗床を長持ちさせたいのは、多くの利用者の共通の願いです。こちらでは、塗床を長持ちさせるためのポイントについてご紹介しましょう。

◇塗床の耐用年数

塗床の劣化速度は、塗装素地や施工後の使用環境、選定塗料、施工方法、自然環境、メンテナンス状況によって大きく異なります。そのため、基本的に塗床は耐用年数が設定されていません。

例えば、エポキシ樹脂は、耐摩耗性や耐薬品性に優れ、工場や倉庫などの過酷な環境でも比較的長持ちしますが、硬度が高いため衝撃に弱いことがあります。一方、ウレタン樹脂は柔軟性があり、ひび割れに対する耐性が高いため、駐車場やスポーツ施設などでよく使用されますが、摩耗にはやや弱いため耐用年数はやや短めです。

アクリル樹脂塗床は、速乾性がある反面、耐久性が低く、耐用年数は短めとなります。

◇耐用年数を延ばすコツ

塗床の耐用年数を延ばすためには、定期的なメンテナンスと適切な使用方法が重要です。まず、施工後の初期段階での十分な乾燥時間の確保が必要となります。乾燥が不十分だと、塗膜の耐久性が低下する恐れがあるため注意が必要です。

また、使用中に小さなひび割れや剥がれが見つかった場合は、早めに補修することで劣化の進行を防ぎます。

さらに、摩耗による塗膜のダメージを軽減するためには、定期的な清掃で床面に溜まる砂や異物を除去することも重要です。加えて、高耐久のトップコート材を追加で塗布することも、塗床の保護層を強化し、耐用年数を延ばす効果があります。

最後に、使用環境に合った塗床材を選定することやしっかりとした技術力を持った専門業者に施工を依頼することも、長持ちさせるための重要なポイントです。


塗床(ぬりゆか)は、コンクリート床を保護するための塗装工法で、主に防塵・防滑効果や耐薬品性、耐摩耗性を向上させることを目的としています。この工法は、床面の耐久性や衛生状態が求められる場所で広く採用されています。

塗床には厚膜タイプと薄膜タイプがあり、使用する樹脂にはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、MMA樹脂があり、それぞれ異なる特性を持っており、用途や環境に応じて選ばれます。

駐輪場への塗床施工には、いくつかの課題があります。まず、駐輪場は自転車のスタンドやタイヤが頻繁に接触するため、摩耗が激しく、塗膜が剥がれやすくなります。特に、タイヤの摩擦やスタンドの設置による点荷重が集中することで、表面が傷つき、塗膜の剥がれやひび割れが生じやすくなるため、注意が必要です。

また、雨水や泥、砂などの異物が持ち込まれることで、塗床の劣化が進行しやすく、剥がれた部分から水分が浸入すると、コンクリートの劣化が促進されるリスクもあります。このため、定期的なメンテナンスや補修が必要であり、これに伴う追加コストも考慮しなければなりません。

塗床工事の流れは、下地処理、塗床材の均一な塗布、コーティング材の仕上げ塗布という主要工程で構成されます。最後にコーティング材を塗布することで、耐摩耗性や耐薬品性をさらに強化し、長期間にわたり美観と耐久性を保つことが可能になります。

耐用年数を延ばすためには、施工後の十分な乾燥時間の確保、定期的な清掃、小さな傷や剥がれの早期補修が重要です。適切なメンテナンスと使用環境に応じた塗床材の選択を行うことで、長持ちする床面を維持し、施設の安全性と美観を保てます。