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駐輪場の手引き

公共駐輪場が足りない!どのような対策ができる?

公開:2024.10.29 更新:2024.10.29
公共駐輪場が足りない!どのような対策ができる?
引用元:photoAC

東京都内の千代田区や中央区などでは、放置自転車の高い放置率が見られます。駅周辺では駐輪場不足が原因で、自転車の放置が増加しています。東京都はこの問題に対処するため、自転車駐車場の増設や放置自転車の撤去に対する投資を行っています。

駐輪場が足りない理由には、土地の確保が難しいことや、目的地周辺に駐輪場がないことが挙げられます。解決策としては、狭小地や不整形地を駐輪場として活用したり、自転車ラックを効率的な2段式に変更したりすることが有効です。

都内で放置自転車が多い区は?

東京都内では放置自転車が依然として問題となっており、一部の区では特に高い放置率が報告されています。放置自転車は、歩行者や交通の妨げになるだけでなく、景観にも影響を与えるため、各自治体で対策が求められています。

◇自転車の放置率(区部)

東京都内の放置自転車の総数は年々減少傾向にありますが、一部の区では依然として非常に高い放置率がみられます。特に千代田区では44.4%と最も高い放置率を記録しています。次いで、中央区が37.6%、渋谷区が25.1%、台東区が21.7%、港区が16.0%と続いています。

放置台数が多い駅としては、新小岩、蒲田、京成立石、高円寺、そしてつくばエクスプレスの浅草駅が挙げられ、いずれも放置台数は200台以上に上ります。これらの駅周辺では、通勤・通学者による自転車の利用が多く、駐輪場の不足が放置自転車の増加に拍車をかけている状況です。

◇東京都が実施している主な施策

東京都はこの問題に対処するため、さまざまな対策を講じています。具体的には、以下の施策が挙げられます。

自転車等駐車場の設置等:新たな自転車等駐車場の増設のため、約22.9億円の投資を実施。

自転車等駐車場の維持管理・放置自転車の撤去等:放置自転車の撤去、保管および返還のため、約49.2億円の経費を計上。

都内6区との協働体制:駅前の放置自転車が多い6つの区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区)で協議会を設置し、放置自転車問題に対応。各区の取り組みやノウハウを共有しながら、効果的な対策の強化を図る。

駅前放置自転車クリーンキャンペーン:駅周辺の放置自転車問題を解決するため、ポスターやデジタル広告を活用した啓発活動を実施。キャンペーン期間中には、各自治体が積極的に放置自転車の撤去作業を行い、対策を強化。

駐輪場が足りない?利用しない理由

放置自転車が増えている理由としては、駐輪場が足りないだけでなく、多くの自転車利用者が、目的地に自転車を駐輪する際に駐輪場を利用しないことが考えられます。これは、利便性や都市部の土地事情が関係しています。

以下では、その理由について詳しく解説します。

◇目的地周辺に駐輪場がない

自転車を利用する人々の多くは、目的地のすぐ近くに自転車を停めたいと考えています。しかし、目的地周辺に十分な駐輪場が設置されていない場合、駐輪場を利用するために遠回りをしたり、時間をかけて探したりすることを敬遠しがちです。

特に都市部では、目的地から少しでも離れた駐輪場は敬遠されがちで、結果として駅前や路上に無断で自転車を停めるケースがよくみられます。この状況は、目的地が駅や商業施設などアクセスの良い場所であるほど顕著で、駐輪場の不足が放置自転車の問題を悪化させる一因となっています。

◇都内で駅周辺の土地確保が難しい

東京のような大都市では、駅周辺の土地が非常に高額で、限られたスペースをどのように活用するかが重要な課題です。土地の価格が高いため、駐輪場の設置や拡張に必要なスペースの確保が難しくなっています。特に駅周辺では、空いている土地自体が非常に少なく、限られたスペースは商業施設やオフィス、住宅の建設に優先的に利用されます。

さらに、渋谷区のように再開発が進行中の地域では、都市計画の一環として土地の利用が厳密に決定されており、駐輪場を設置する余地を見つけることはますます難しくなっています。再開発エリアでは、商業施設や交通インフラが優先され、駐輪場の設置は後回しにされることが多いです。

駅周辺だけでなく、住宅街やオフィス街でも同様の問題があり、駐輪場の需要に対して供給が追いついていないことが、放置自転車問題の根本的な原因となっています。

駐輪場が足りない場合の対策

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出典:photoAC

都心部では、自転車利用者の増加に伴い、駐輪場不足の問題が深刻化しています。この問題を解決するためには、限られた土地を効率的に活用し、駐輪場の拡充を図ることが不可欠です。以下では、駐輪場不足を解消するための主な対策について説明します。

◇矮小地・不整形地の活用

都市部には、建設や大規模な利用が難しい狭い土地や形状が整っていない不整形な土地が多く存在します。これらの矮小地や不整形地を駐輪場として活用することで、都市の空間を有効に活用し、駐輪場不足を補うことが可能です。

通常、駐車場や建物の建設には適さない狭いスペースでも、自転車駐輪場であれば設置が容易です。そのため、駅周辺や商業エリアなど限られた空間に駐輪場を増設する手段として有効です。例えば、ビルの脇の空き地や道路沿いのわずかなスペースなど、一般的には利用が難しい場所に駐輪場を設けることで、スペースを増やせます。

◇自転車ラックの入れ替え

自転車ラックは、自転車を安全に駐輪するために地面に設置された設備で、自転車を立てかけたり固定したりします。自転車ラックには平置式、スライド式、2段式などさまざまな種類があり、それぞれ収容能力やスペース効率が異なります。

駐輪場の収容能力を増やす方法としては、既存の自転車ラックを2段式ラックに入れ替えることが効果的です。平置式やスライド式ラックは横のスペースを主に使うため、限られた数の自転車しか収容できません。一方、2段式ラックは縦方向に自転車を駐輪するため、同じ面積でも倍の自転車を収容できます。

そのため、特に駐輪スペースが限られている都市部では、2段式ラックの導入が非常に有効です。

駐輪場が足りない問題を解決した事例

都市部における駐輪場不足は深刻な問題で、多くの自治体がこの課題に取り組んでいます。以下では、東京都江東区と八王子市の具体的な取り組み事例をご紹介します。

◇東京都江東区の事例

江東区では、利用されていない狭小土地に着目し、誰でも利用できる駐輪場の整備を推進しています。この取り組みの一環として、事業者や個人に対し、駐輪場を整備するための補助金制度を設けました。平置式ラックには1台あたり5,000円、ラック式には15,000円の補助金が交付されます。

この制度は、駐輪場を1台からでも整備できるという点で、23区内でも初の試みです。また、従来の工事費の3分の1を補助する制度も維持されており、利用者は2つの選択肢から自分に合った支援を選べる柔軟性があります。

◇東京都八王子市の事例

八王子市では、地元の商店街とビシクレット社が連携して、買い物客向けの短時間利用を想定した有料駐輪場を設けています。この取り組みでは、市が歩道用地を提供し、ビシクレット社が駐輪場の設置、運営、管理を一手に担当しています。

この有料駐輪場の特徴は、重い荷物を載せた自転車の利用を考慮した設計で、利用者がスムーズに駐輪できるよう配慮されていることです。また、景観に配慮したカラーデザインを採用し、使い勝手の良いローラックを導入することで、利用しやすい環境を実現しています。

さらに、手ごろな料金設定もあり、各エリアで非常に高い利用率を誇っています。


東京都内では放置自転車が依然として大きな問題であり、特に千代田区や中央区で高い放置率が報告されています。放置自転車は歩行者や交通の妨げになるだけでなく、景観の悪化も招いています。

これに対処するため、東京都は駐輪場の増設や放置自転車の撤去に多額の投資を行い、放置自転車が多い区との協力体制を整備しています。特に新小岩や蒲田などの駅周辺では、通勤・通学者の利用に対して駐輪場が不足しており、放置自転車の増加に拍車がかかっています。

放置自転車が増える理由として、駐輪場の不足に加えて、目的地周辺に駐輪場がない、または遠いため利用を避ける傾向があることが挙げられます。東京のような都市部では、土地の価格が高騰しており、駅周辺の限られたスペースを駐輪場に充てるのが難しい状況です。

さらに、渋谷区のように再開発が進む地域では、駐輪場の設置が後回しにされるケースも多く、結果として放置自転車が増加しています。

駐輪場不足を解消するための対策としては、狭小地や不整形地を活用して駐輪場を設置することが挙げられます。また、既存の駐輪場の効率を向上させるために、2段式ラックを導入することも効果的です。これにより、限られたスペースでも多くの自転車を収容できるようになります。

東京都江東区では、未利用の狭小土地に駐輪場を整備するための補助金制度を導入し、1台からでも設置できる柔軟な制度を推進しています。また、八王子市では商店街とビシクレット社が連携し、買い物客向けに短時間利用が可能な有料駐輪場を設け、手頃な料金設定と使いやすい環境を実現しています。

これらの取り組みを通じて、駐輪場の不足や放置自転車問題の解決を図っており、他の自治体にも参考となる事例となっています。